16〜7年前、
住んでいたアパートの付近をテリトリーとしていたのらねこが子供を3匹産んだ。
そのうちの体の一番小さなねこを、台風の時に一晩保護した。
その後毎日、通りの手前までお見送り、そしてお出向かいをするようになったその子に
とらぞうと名付けた。
毎日遊びに来ては、気がすむまでのんびりと
いつも決まったソファの上でいびきをかき、安心して寝ていた。
決してひっかくこともなく、いたずらすることもなく
そんなとらぞうが、ある日血尿をした。家の中では決して粗相をすることはなかったのに。
その晩は、泊まらせて翌日朝一で病院へ連れて行こうと思ったけれど
とらぞうは、いつもの通り外へ出たがったので、ドアを開けた。
翌朝ペットショップでケージを購入、急いで戻り、とらぞうを呼ぶ。
でも、どこにもいない。いつもすぐに出てくるのに・・・。
そして、とらぞうはその後二度と姿をあらわすことはなかった。
あれから16〜7年。
あの場所から遠く離れた今の住まいの近くの公園。
前からとらぞうが歩いてくる!?
まさか? わが目を疑った。
もう16年以上も前だし、健康体じゃなかったんだから。しかも20km以上離れているし。
でも、その特徴はうり二つ。額の切れ込み、背中の模様。
そして、初対面なのに向こうから抱きついてきた!
私の腕の中で思うがままに身を任せ、決して爪をたてることもない温厚な性格までそっくり。
こうして、私の公園通いは始まった。
私のひざの上で眠る、とらぞうとのぬくぬくな日々。
そして・・・また、涙なみだの別れがやってくる。
その後の公園にゃんこたちとのふれあいを
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torazo